劇作家
■フジール・スレイマン Huzir Slaiman
「人々が複雑なアイデアにシンプル・パーソナル・ヒューマンな方法でアクセスできる物語を語る」ことを目的に、様々なメディア、芸術形態、ジャンルを超えて活動するアーティスト。作家としては戯曲、映画脚本、テレビ脚本、新聞コラムを執筆。演出家としては演劇、映画の両分野で活動し、自ら俳優としても活躍している。
チェックポイント・シアターの創立メンバーであり、共同芸術監督を務める。最近の戯曲に、マン・シンガポール・シアターフェスティバルのオープニング作品として2011年8月に上演された『肌の上のシルクの重さ』がある。また、最近の演出作品としては、2011年3月に上演され、高い評価を受けた『グッド・バッド・アンド・ショレー』がある。現在、シンガポール国立大学において劇作についての講義を担当。劇作家としての作品には、社会風刺作品『アトミック・ジャヤ』(1998年)、シンガポール・アーツフェスティバルによるコミッション作品『オキュペーション』(2002年)や『コギト』(2007年)など多数。戯曲集『エイト・プレイズ』がシルバーフィッシュ・ブックスより刊行されている。
また、エクスペリエンス・デザインに特化したブランド・コミュニケーション専門コンサルタント会社「スタジオ・ウォン・フジール」のクリエイティブ・ディレクターとしても活動しており、同社からシンガポールについてのオンライン・マガジン『POSKOD.SG』を刊行している。
プリンストン大学卒業。同大学よりベイン・スウィゲット・ポエトリー・プライズを受賞。2007年イエール大学ワールド・フェロー。
翻訳
■滝口 健(たきぐち けん)
シンガポール国立大学英語英文学科・演劇学専攻助手。PhD(地域研究)。同大学が進めるオンライン演劇アーカイブプロジェクト、『アジアン・シェイクスピア・インターカルチュラル・アーカイブ』アシスタント・ディレクター。早稲田大学坪内逍遙記念演劇博物館グローバルCOEプログラム特別研究員(2008-2011年)。
シンガポールを拠点に、演劇プロデューサー、翻訳家、コーディネーターとしても活動。劇団ネセサリー・ステージ(シンガポール)運営評議員(2006-2012年)、劇団キラット・シアターアンサンブル(シンガポール)諮問委員(2009年〜)、クアラルンプール・パフォーミングアーツセンター(マレーシア)コンサルタント(国際プログラム開発担当、2006年〜)等、現地の劇団・劇場と様々な共同作業を展開している。日本においては、キラリ☆ふじみ館長の松井憲太郎氏らとともに「アジア演劇創造研究センター」を立ち上げ、日本とアジアの演劇人の交流拡大をめざして活動している。1999年から2005年には国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長を務めた。
共著書に『公共劇場の10年:舞台芸術・演劇の公共性の現在と未来』(伊藤裕夫、松井憲太郎、小林真理編、美学出版、2010年)、『芸術と環境:劇場制度・国際交流・文化政策』(伊藤裕夫、藤井慎太郎編、論創社、2012年)、Japan and Southeast Asia: Continuity and Change in Modern Times (Lydia Jose, Teow See Heng, Ricaldo Jose and Yoshimura Mako eds, Quezon City: Ateneo de Manila Press, upcoming in 2013)。共編著にOng Keng Sen’s Intercultural Theatre: Directions and Debates (tentative title) (Paul Rae, Yong Li Lan and Ken Takiguchi eds, Aberyswyth: The Centre for Performance Research, upcoming in 2013)。
戯曲の翻訳には、『モバイル』(Haresh Sharma・鐘下辰男他作、The Necessary Stage作品、シンガポール、2006年、日本では世田谷パブリックシアターにて上演)、『Repot』(Loh Kok Man作、Pentas Project作品、2008年、日本では世田谷パブリックシアターにて上演)、『オペラ変身』(山元清多作、オペラシアターこんにゃく座作品、2009年、ヨーロッパツアーに使用)等がある。また、「アジアン・シェイクスピア・インターカルチュラル・アーカイブ」においても7作品を翻訳。
他、雑誌への寄稿等多数。